仮装通貨(暗号通貨)は今後ますます発展していく!?(1)
司法試験と全く関係ない投稿ですが…汗
昨今はやりの仮想通貨について,ちょっと思うところがあったので,試験勉強の息抜きがてらに,仮想通貨の意義をまとめてみたいと思います(もし誤りがあれば,ご指摘ください)。
仮想通貨とは何か
仮想通貨の定義づけは実に様々で,これが混乱の原因の1つでもあります。
単に仮想通貨といえば,電子マネーやポイントなども,これに当たるようにも思えます。けれど,仮想通貨は電子マネー類とは異なった性質を持つとされています。
色々な違いが指摘されていますが,大きく分けると次の2点に集約されるかなと思います。
電子マネーとの違い(1)〜法定通貨を信用の裏付けとしない
既存の電子マネーは,国の発行する法定通貨との同価値性を前提に成り立っています。
例えばSuicaなら,1ポイント=1円というルールがあるからこそ,利用者はSuicaを安心して使用できます。電子マネーは,円などの法定通貨と同じ価値を持つというルールのもとで,信用して取引に利用されているのです。
一方で,ビットコインをはじめとする仮想通貨は,法定通貨との同価値性が約束されていません。仮想通貨の交換レートは常時変動しています。
このような性質は,そもそも仮想通貨の究極的な目標が,国に依存しないで流通する通貨を作ることにあるからです。つまり,世界中で行われる取引きが,円やドルなど各国の法定通貨を媒介とせず,1つの通貨で行われることが目指されているのです。これは,とても画期的ともいえまずが,危険な側面をはらみます(次回以降で述べます)。
電子マネーとの違い(2)〜取引相手が不特定
実は,仮想通貨には法律上の定義があります(平成28年改正資金決済法2条5項1号)。簡単に言うと,不特定の者との間で代金決済に用いることのできる電子的な財産価値が,仮想通貨にあたります。
この「不特定の者」という点も,電子マネーとの大きな違いの1つです。
つまり,電子マネーは,SuicaならSuica加盟店,waonならwaon加盟店を相手として用いられることが想定されています。ですが仮想通貨は,そういった特定の取引相手ではなく,世界中の不特定の者とやり取りすることが想定されているのです。
仮想通貨の特徴についての疑問点
「法定通貨を信用の裏付けとしない」「取引相手が不特定である」という仮想通貨の特徴を挙げましたが,このどちらの観点にも疑問が湧いて来るのではないかと思います。
まず,第1点目として,仮装通貨の信用はどこからくるのでしょう。前述の通り,仮想通貨は法定通貨と同じ価値をもつことが約束されていません。そう考えると,安心して仮想通貨を使うことができないようにも思われます。
第2点目として,本当に不特定の者とのやり取りができるといえるのでしょうか。仮想通貨で支払うことができる場面は非常に限られています。現状ではとても不特定の者との決済で用いられるとは言えないように思えます。
次回は,これらの疑問について検討してみたいと思います。